真面目な報道番組が視聴率を狙って芸能人キャスターを抜擢している問題

池上彰氏が芸能人キャスターを起用している報道番組を批判しているというニュースがあった。

これはたまたま、報道番組に出ているジャニーズの小山慶一郎が不祥事を起こしたため、話題になったようだ。

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タイトルだけだと読み違えてしまうが、池上彰は「ほら芸能人キャスターは不祥事起こすからダメでしょ」ということを言っているのではない。報道番組が視聴率のために人気タレントを使うのは如何なものかと言っているだけだ。テレビ局側への苦言である。

 

報道番組が視聴率を狙っていいのか?

テレビが真面目な報道番組で視聴率を意識してしまっては良くないと思う。しかしそうなっている。

そういえば10年くらい前まではニュース番組にタレントは出ていなかった。出てきたのはここ5〜6年だろうか。

ネットの台頭でテレビの視聴率が落ちてきている昨今だ。テレビ局が「もう報道番組で視聴率を取るしかない!」というスタンスに舵取りした結果、芸能人キャスターが起用され始めたように見える。

テレビ局の報道番組の視聴率志向が強くなると、行き着く先はアクセスを求めてフェイクニュースを生み出している胡散臭いウェブサイトと変わらなくなってしまう。でいてそこが公共の電波という権力を持つことになる。テレビをパッとつけたらフェイクニュース。これは問題だ。

 

ワイドショーの立ち位置

これまでグレーゾーンはワイドショーだったんじゃないかと思う。安定して視聴率の取れる報道番組のもっとくだけた感じのポジションとしてワイドショーがあった。

「まあ酒飲んでたから」みたいな感じで「ワイドショーの言ってることだから」という風に許される感じのバランスだ。真面目なニュースとはちょっと違うけど、人々の興味のある時事ニュースを番組それぞれ独自の切り口で面白く演出して放送している。

ここがもうテレビタレントだらけになってバラエティ番組化している。コメンテーターに芸人やタレントはもう珍しくない。

昔はほとんど文化人とかだった気がする。タレントは出ていたかもしれないが、少なくともいまのように芸人はこんなに出てきなかったはず。

 

このワイドショーというグレーゾーンが完全に黒になり、視聴率戦争は激化、今やついに報道番組がグレーゾーンになりはじめているのではないかと思う。この流れがエスカレートすると芸能人キャスターは増えるだろうし、ワイドショーのように視聴率のために延々日大のアメフト問題を放送するとか、公平なバランスで報道をしなくなってしまうかもしれない。