歳を重ねてくると言いたいことがなくなってしまうということ

 

ラジオを聞いていたら、ミュージシャンが30歳を超えると言いたいことがなくなって歌詞がかけなくなり、曲が作れなくなる、という話題があった。

ぼくはまさに30代でバンドマンをやっている。まさにこの理由で解散したバンドがあった。

 

ぼくはそのバンドに途中から参加したのだが、そのバンドはぼくが加入する数年前から新しい曲を作れていなかったらしい。ひたすら昔の曲をやり、少しづつアレンジを変えながらやって行く感じだっだ。

メンバー間で「新しい曲がやりたい」となると昔の曲から引っ張ってきてそれをアレンジし直して演奏していた。

なぜ新曲をやらないのかと曲を作っているボーカルに聞くと「曲ができない、歌詞が思いつかない」ということだった。その時はあまり突っ込めなかったけれど、今改めて思うと、歳をとって物分りが良くなり言いたいことがなくなってしまっていたんだろうと思う。

彼が昔に作った曲の歌詞はしっかりとした構成があって自己主張のある歌詞だった。と、同時に若気の至りのような青臭い部分もあった。でも音楽に乗せて言えばそういう青臭い言葉もいい感じで聞こえてくるものだ。

すでに出来上がっているものは演奏できるけど、また新しく作る、ということができなくなってしまっていたのだ。

 

誰かが、「若さとは自分の根拠で全てを裁くことだ」と言っていた。きっとそういう気持ちでボーカルの彼は昔に曲をたくさん作れていたのだと思う。それが歳を重ねて30歳になって変わった。

歳を重ねていろんな経験もして、他者、違う立場のことを知り、根拠が増えて想像力も増える。

すると自分の中に何か言いたいことが湧き上がってきても、少し考えると「でもこの場合は、、、」とか「まあしょうがないよな」とか様々な立場で考えて、歌に乗せてまで言いたいことというのが出てこないのだ。

結果曲ができない。そしてバンドは解散した。

 

田舎から都心に出てきて頑張っていた彼は田舎に戻ってしまった。30歳を超えて言いたいことがなくなったからという理由でバンドを辞める人間は意外と多いのかもしれない。