映画『メッセージ』感想。新しい形のファーストインパクトもの

『メッセージ』は2017年の映画で結構評判が良かったSF映画だ。短編小説の『あなたの人生の物語』が原作らしい。

ネットではその宇宙船の形をお菓子のばかうけのようだといじっていた。まあ確かにばかうけにしか見えない。

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あらすじ

突如地上に降り立った、巨大な球体型宇宙船。謎の知的生命体と意志の疎通をはかるために軍に雇われた言語学者のルイーズ(エイミー・アダムス)は、“彼ら”が人類に<何>を伝えようとしているのかを探っていく。その謎を知ったルイーズを待ち受ける、美しくそして残酷な切なさを秘めた人類へのラストメッセージとは―。

 

『メッセージ』は、ざっくり言うと人類が初めて知的生命体に出会うと言うファーストコンタクトものである。それでいて、とにかく地味。SFといえば宇宙船が未知なる武器がとか宇宙人のデザインがとか戦闘シーンがとか派手な要素を期待してしまうところがあるけどそんなものはない。でも実際に突如地球に宇宙船がきた!となるとこういう形もあるだろうなという現実味がある。

シンプルで引き込まれる面白さがある。ごちゃごちゃしていなくて焦点が絞られているので見やすくて良かった。

 

ばかうけは地球の各地12の地域に降り立つ。各地のばかうけに対するコミュニケーションは多種多様だろう。そこをもっと描いて欲しかった気もするけど、そこで人類が攻撃を選ぶか対話を選ぶかというのが現実の世界情勢と重なる感じがして面白かった。

友好的な知的生命体が来たらきっと人類はその技術を独り占めしたくて競争になって人類の間で争いになるだろう。意外と攻撃的な知的生命体が来た方が人類が一丸となるのかもしれない。そんな想像ができるような現実味のある面白さがあった。

人類は知的生命体と出会い、自分たち以外を知る。そうすると逆に自分たちがどんなことをしているのか、ということが見えてくる。知的生命体の中で相対化できるのだ。

 

おわり。ちょいネタバレあり

人間というのは自分の頭で考える生き物だ。言語があるからこそ考えることができるらしい。

面白いところで、英語には肩こりという言葉がないので英語圏では肩がこるという感覚はないらしい。現象を言葉として認識していないからその現象を捉えられないのだ。他にもそんなことってあるだろうなあとなんとなく思う。言葉を知らないと意識しないし認識しない、つまり考えられないのだ。

『メッセージ』では、人類がばかうけに乗った知的生命体に出会いその言語を知ることで新たな感覚を獲得する。それがこの物語の特許だ。他で見たことがない面白さだった。傑作!

 

 

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