ブラック企業にいると、自分がループものの物語の中にいるかのような気持ちになる

最近ループもののSF映画を見たからか、今日の仕事中に、僕のこの日常も悪い意味でループしているんじゃないかと頭の中で妄想を繰り広げていた。

来月いっぱいで1年ほど続いた若い社員が辞めると聞いた。理由はまだ聞いていないけど、辞めたいという話はしていたし職探しの話は僕も一緒にしていたので予想通りの展開だ。
まあ、パワハラなどもキツそうだしこの会社で未来を描けないからやめるのだろう。みんなそうやって辞めていく。

僕の会社はこういう風にして辞めて行く人があとを絶たない。古株の思考停止した数人の社員は変わらず上の方に陣取っていて、その下が全く続かないのだ。ここ数年で辞める社員は4人目だ。現在社員5名ほどの小さな会社なのでこの人数は多い。
どの人も最初は意気揚々と正社員になるが、数ヶ月でその顔色がだんだん悪くなりいつのまにか心も荒んでいき、1年も経てば次の仕事を探し始め、見つかった人から辞めていく。

社員が1人減るということで、すでに1人の社員候補が入ってきた。減ればすぐに補充すれば良い。年中求人募集をしているような会社なのだ。

古株の社員たちは、新人を自分がうまく使える兵隊に仕立て上げようと最初はフレンドリーに接している。最近ではすぐに飲みに連れて行くようにな囲い込みをする人も出てきた。
今度こそは続く社員を育てようとか真っ当なことを思っているのかもしれないけど、これまでうまくいった試しがないのにも関わらず、そのやり方は毎回同じだ。人と仲良くなる努力はしているようだが仕事は現場で丸投げという感じ。仲良くなったところで仕事は仕事、まず能力をコツコツと育てないと厳しい。それが当たり前だけど。現状は短期的な手法として仲良くなっておいて命令を聞く人間を作った方が自分の利があるという思考をしている。

人手不足の現状で今この瞬間に働いてくれる人を少しでも確保しておきたいという短期的な思惑だけで動いているのだ。それで社員になってしまうので現場では実力が追いつかず、社員として仕事を任されるとその仕事量に潰されてしまって辞めていくという流れだ。なので新しい社員候補も数年経てば辞めて行くのだろう。下手な鉄砲を数打って数年に一度当たるくらいである。W杯の頻度に匹敵するかもしれない。

 

辞めては補充する、人を使い捨てるブラック企業の仕組み。僕はこのループする毎日をもう10年続けている。そして僕くらい長くループしている人は3カ月前を最後に、誰1人いなくなってしまった。
ループしているのは僕だけなのだ。
ループする悪夢の中で僕は様々な人たちに出会った。真面目、不真面目、有能、無能。同僚なのでそれなりに仲良くはなる。けれどもそんな人たちがどんどん入れ替わってゆく。
新人が来たら自己紹介、辞めるとなったら次も頑張ってねと挨拶。この繰り返し。なにか心が死んでいく感じがしている。
ブラック企業のループの中に僕はいるのだ。