ドキュメンタルはなんでもアリの過激なお笑いバトルかと思いきや、唯一やってはいけない笑いがある

松本人志Amazonプライムの番組『ドキュメンタル』のシーズン4のメンバーが発表された。今回は毛色が違う感じでまた面白そうだ。

 

ドキュメンタルシーズン4のメンバー決定

配信日は12月1日。「HITOSHI MATSUMOTO Presents ドキュメンタル」シーズン4のメンバー発表された。メンバーは以下。

宮迫博之雨上がり決死隊
藤本敏史FUJIWARA
飯尾和樹(ずん)
くっきー(野性爆弾
井戸田潤スピードワゴン
黒沢かずこ(森三中
西澤裕介(ダイアン)
ノブ(千鳥)
大悟(千鳥)
クロちゃん(安田大サーカス

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特に目を引くのがコンビでの出場となった千鳥だ。二人とも初道場である。最近の勢いがそのまま評価されての登場だろう。

ドキュメンタルは密室に集団でいるので、ボケだけではなくツッコミも活躍できるタイミングが多い。その点ノブのツッコミには期待するし大吾も平場では視点が面白いツッコミボケのような感じがあるので面白そうだ。

 

ドキュメンタルはなんでもアリかと思いきや唯一やってはいけない笑いがある

今回の予告編で松本が「(ドキュメンタルは)本当に一番おもしろいやつを決めるには適しているのかもしれない」と言っているが、確かにそう思う。

単純な笑わせあい、笑ったら負けというシンプルなルール。お笑いサバイバルである。よくこんな企画を思いついて実際にやろうとしたものだなと感心する。

 

けれども、僕は過去3回を見てきて一つだけドキュメンタルの欠点というか、使えない笑いのテクニックがあることに気がついた。

それは「誘い笑いのネタができない」ということだ。

ドキュメンタルは笑わせあいだ。簡単に言ってしまえばにらめっこのようなものである。ネタを披露しあったりして笑ってしまった時点でどんどんメンバーが脱落していく。最後に生き残ったものが勝ちだ。

笑ったら退場していくというルールなので、ちょっとでも笑顔を見せてしまっただけでもアウトなのである。

このルールだと、人のネタで笑ってしまってはいけないのは当然のこと、自分が披露するネタで笑っている人を演じることすらできないということなのだ。

例えば長州小力の笑いながらトランスを踊るやつとか(古いしなんでこれが最初に思い浮かんだんだろう)、ロバートによくある、秋山と馬場が笑いながらじゃれあってるコントとか、演者が笑っている状態のネタは絶対にできないのだ。なぜなら笑顔を見せた時点でアウトになってしまうから。例えば変顔で笑いを取ろうとしても、笑い顔は作れないだろう。

笑いの中には「つまらないことを満面の笑みで堂々とやっている様子」に笑ってしまう、という様なナナメの視点の笑いもあったりする。こういうネタもできない。

ドキュメンタルはテレビではできない過激な笑いをやっているという売りがあるけれど、実はドキュメンタルで成立するネタは限定されてしまっているとも言えるのだ。

 

ドキュメンタルのある種常軌を逸した緊張感は、みんなが100万円の地腹を切って参加しているということから生まれているが、その上で一切笑ってはいけないという状況でも緊張感が生まれている。

そこへきてさらに誘い笑いのネタはできないというところに不自由さがある。

笑いが生まれる状況ってそこまで緊張感があってしまっては逆によくないだろう。松本が昔、M-1の客が緊張しすぎだと指摘したことを思い出す。少しでも笑ってくれれば演者も乗るのだから、見ている方もいい空気を作ってくれと言っていた。

 

おわり

笑ったら100万円を失ってしまう状況でなかなか笑うものはいない。それを超えて笑ってしまうくらいおもしろいものが出てくるからドキュメンタルに価値があるのだけど、でも笑うネタができないというのは笑いを作る上でかなり不自由なことだと思う。

シーズン3のラストは笑わすことより笑わない方が強い、つまり守っていれば負けることはない、というところに収束しつつあるように見えた。時間制限がある生き残りシステムのため、笑わなければ最後まで生き残れるのだ。

ドキュメタルシーズン4はここの問題を打破できるだろうか。