「昔の方がセクハラに寛容だった、今は生きづらい」という意見があるけど、それは古い人間の意見

こんなニュースがあった。ハリウッドの大物プロデューサーの30年にわたるセクハラ疑惑が告発され、アカデミー賞を主宰する団体から除名されたのだという。

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このニュースを扱ったフジテレビ『ワイドナショー』を見ていて思うことがあったので今日は書く。

 

昔はこんなの普通だったと言う昔の人

今回の告発でセクハラ行為をしたプロデューサーが所属する映画芸術科学アカデミーは「われわれの業界における性的な搾取やハラスメントについて見て見ぬ振りし、恥ずべき共謀をする時代は終わったと言うメッセージ」という声明を出しこのプロデューサーを除名。つまりは映画界から追放したのだ。

 

このニュースを受けて『ワイドナショー』にコメンテーターとして出演していた武田鉄矢は、昔の日本映画界ではこんなこともあった、みたいな文脈で権力者のセクハラ行為を武勇伝のようにして語っていた。

セクハラ問題については「こんなこともセクハラになってしまうのか」と言う驚きもなくはないけど、普通に考えると許されざる行為だと思う。

 

例えば志村けんはバカ殿で女性のお尻を触るなどの笑いを取っているらしい。これをやるために舞台の上だけではなく普段から志村けんはそうしているのだという。そうすることで演者たちとの空気感を作るというのだ。合意の上なんだろうけど全く信じられないことだ。

ワイドナショー』では、昔はこういうこともあった、という風に過去のセクハラ行為を正当化して話している空気があって、僕はそれがちょっと気になった。

ヤンキーが過去の犯罪を武勇伝のようにして正当化して喋るのと同じ感覚で話しているようだった。

 

人類が成熟していく段階

「昔はセクハラなんて言葉はなかったから寛容だった。今は何でもかんでもハラスメントで生きづらい」なんていう意見はよくある。

今回の『ワイドナショー』でも武田鉄矢が昔の芸能界を引き合いに出し、今のご時世のように厳しくなったのはハラスメントという言葉が出てきてからだと言っていた。その裏にはこれが悪いことであるようなニュアンスを含んでいるように僕には思えた。

これは古い人間の意見だと僕は思う。僕はセクハラという言葉が出てきてよかったと思っている。

言葉が出てきてから考え方が認知され、広く共有される。その新しい考えがいいものだったとしたら、言葉はどんどん共有されて人類は成熟していくのだ。だから言葉が出てくるのはいいことだと思う。

セクハラという言葉は広く認知されたし、これはいい考えだったということだ。

 

ちょっと大袈裟かもしれないけど、これは人間が動物的な本能から理性を獲得した瞬間なのだと思う。

ここ50年くらいのスパンでも人間は少しずつ理性的になっているのだ。つまり、動物から進化しているということでもある。

社会は、新しい考え方から生まれるルールで実際に生きづらくなっている部分もあるかもしれない。けれども広い意味では人間社会は進化していると思う。

インターネットの普及で一般市民の意見も全世界に共有されるようになってこの部分は加速したのだと思う。弱者や少数意見にも光が当てられるようになった。

僕はこの流れはとてもいいことだと思っている。