普段からアニメを見ないおっさんが『けものフレンズ』全話を見た感想

けものフレンズ』の再放送を録画していたのをようやく全て見た。なぜ今なのかというと昨日からけもフレの監督のたつきという人が2期の制作を降ろされたとネットで話題になっていたからだ。

というわけで録画して途中まで見ていて11話と12話を放置していたのを思い出したのだ。なぜ放置していたのかというと、見たら終わってしまうから。そう思うくらい『けものフレンズ』は面白いアニメだった。

 

けものフレンズを見る前は

僕はこのアニメが放送当時話題になっていたことくらいは知っていた。ネットの世界に住んでいるので、ニュースリーダーなんかで話題になっているネット記事のタイトルなどを見てうっすら知っているのだ。

その上でのなんとなくの認知としては「アニオタの人たちがまた萌えとかいう感情を爆発させている」という感じだ。

ちょいちょい見るアイキャッチの画像の印象では擬人化された動物たちが見られた。その動物たちは全員少女。まあロリである。というわけでそういうアニメなのだなという認識だ。

うまくやったなと思っていた。そういう人たちの心を掴むために動物を擬人化なんてあざといけどど真ん中なのだろう。なんぜ戦国武将が擬人化(とは言わないか女体化?)されている時代である。

擬人化されたけものは全員女子で4頭身くらいのロリ。これまでアニメの世界になかったのが不思議だくらいだ。そりゃあ大ヒットするんだろうなという気がしていた。

 

けものフレンズ』あらすじ

そう思っていた僕がなぜ『けものフレンズ』を見たのかというと、僕の耳にするところでの物語の評価が意外と高かったからだ。ネットで話題になる大体のアニメは「〇〇かわいい」なんつってわーわー言っているだけなのだが、けもフレは「最終回にどうなるのか?」みたいな話題もあったし、その中で見たあらすじがとても面白そうだった。

そんな時に早くも再放送が来たので全話録画していたのだ。

ウィキペディアのあらすじはこんな感じ。

動物が人間の姿をした「フレンズ」と呼ばれる少女たちが暮らすサファリパーク型動物園「ジャパリパーク」を舞台に、パークに迷い込んだ少女の正体や仲間がいる場所を知るための冒険と旅を描く。

けものフレンズ (アニメ) - Wikipedia

 

足りないものの良さ

ともかくこのアニメは「予算が全くないんだろうなー」というのが第一印象だ。

www.youtube.com

僕はこういう深夜の連続アニメはほとんど見ないからちょっとよくわからないのだけど、それにしても手抜きすぎである。

フレンズの造形だけは凝っているけど、それ以外は全くの手抜き。CGアニメなのだけど、そのCGのクオリティが2昔前くらいの感じだ。動きはみんな一緒だし表情がほとんどない。

けれどもこれがいい。これがすごくいい。

全てを表現していないからこそ、こちら側が想像する余剰があるのだ。

このアニメのキャラクターたちは表情が少ない。本当に喜怒哀楽の4種類くらいしかない。表情の温かみは少なく、記号的だ。その少ない表情を読み取っていく作業をしていると、いつのまにか自分も物語の中に入っているのだ。

これは完全に作り込まれた今のCGのRPGよりも、ドット絵時代のRPGの方が感情移入できるという感覚に近いものだろうと思う。制約のあるちょっとしたの動きでどんな行動を表現しているのか、一目ではわからないからこちらで考えようとする。自分の頭を使っている時点で物語に深く入っている。

足りないからこそこちら側が補完する。その行為で物語に入っていくのだ。

完璧に作り込まれた世界ではお腹いっぱいになってしまうことがある。どこかツッコミどころがあるような、足りないものの方がこちらも参加できるような、入り込めるような感覚があるのだ。

 

物語はほんのりSF感があって面白かった。ただ単にフレンズが可愛いというだけのアニメではなかった。ほんのりのSF感と緊張感のない萌えキャラで全く深みのない感じを装いながらも、物語は徐々にシリアスになっていく。このバランスが絶妙で魅力がある。

僕が放置していた11話12話はアツかった。ラストの戦いはグッと来た。

改めて動物たちの生態を知ったり、そもそも人間の特徴はなんなのかということを知れたり、面白いだけではなく実は勉強にもなるアニメだった。再放送が深夜ではなく朝だったのも頷ける。子供も見た方がいいだろうと思う。

ラストは2期に続くようないい終わり方だった。で、構成、脚本、監督などこのほとんどを作り上げたたつき監督という方がこの2期から外されてしまったらしいのだ。そりゃあ話題になるだろう。僕も2期は見ると思うし、これを作り上げた人が2期にいないとなるとかなり残念な気持ちである。