コントに振れるか、ドラマに振れるか。有田哲平主演、古谷実原作ドラマ『わにとかげぎす』第一話

19日からTBSで連続テレビドラマ『わにとかげぎす』が始まった。これは古谷実の漫画を原作としてドラマである。くりぃむしちゅー有田哲平がドラマ初主演で注目のドラマだ。

僕は漫画原作のファンである。だからハードルは上がってはいるのだけど、昨日の1話を見た時点ではちょっと期待できない仕上がりだったというのが率直な感想だ。

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ゆるく楽しむドラマの枠で

この時間帯のドラマ(11:56〜)の30分程度のドラマは、適度なゆるさがあってたまに面白い作品が出てくる。尖った才能を持った若手の監督や、まだ世に出ていない面白い役者などを排出しているイメージがある。

そんな枠で古谷実の漫画の実写化ということで、個人的にはハードルは上がっていた。色々面白い試みがあるかもしれない。けれども、第一話はそんなハードルを超えて来なかった。

掴みは良かった。ドラマのファーストシーンは漫画のラストシーンから始まった。印象的な飛び降り自殺のシーンからだ。もちろんこれは妄想の中の出来事だ。漫画では幸せな結末を迎える主人公が、もしかしたらこういう現実もあったかもしれないというふうに回想するようなシーンである。

これを最初に持ってきたことにより印象的な始まりになっていた。「おーここから始めるんだ」という感じで原作を通ってきた僕は盛り上がった。

 

コントに振れるか、ドラマに振れるか

とはいえそれも最初だけ。その後はコント仕立てか真剣なドラマなのかちょっと計りかねる感じで続く。

コントかドラマか、せっかくだったらどちらかに振れてくれた方が良かったような気がした。

原作漫画は、リアルな日常から突然笑いに振れるスピード感が凄まじく、そこに良さがある。ただリアルを淡々と描くだけでは漫画的には淡白になってしまうところを、古谷実の笑いのセンスでリアルな日常も最後まで読ませるという技がある。

これを映像作品にするとなると、笑いとリアル、つまりコントとドラマの切り替えのメリハリが大事になるはずなのだ。

第一話は全体的にはコミカルな感じだったけど、カメラ割りか演技か、なんか安っぽさがあった。この辺はコントっぽい印象が強い。でも、コントな割に笑えるシーンは少なかった。もっとテンションを上げきったり、より感情表現をしたほうがよかったのにと思うシーンが多かった。

唯一、主人公富岡の子供の頃の回想シーンは笑えた。漫画よりも多く時間が割かれていてオリジナル要素もあり面白かった。テンポがよく、子役と先生の演技がキレキレでよかった。

 

本田翼が羽田さんを演じるのはアリなのか

どうも有田哲平の演技が気になってドラマというよりコントに見えてしまうというところがあった。ただ、それ以上に気になってしまったのは羽田さん役の本田翼の演技だ。

そもそも配役としては適切ではないと思う。これは原作を読んでいることと、僕に本田翼のイメージがついてしまっているということに問題があるのはわかってはいるのだけど、もう少しなんとかならなかったのかなあと思う。

羽田さんといえばエキセントリックな性格でありながら可愛くてエロいという完全無欠のヒロインなのである。

羽田さんを語るには、まずエキセントリックというところが重要になる。小説家を目指しており、隣人の富岡が大好きでその理由はトランプのジョーカーに顔が似ているから。日々薄い壁に耳をすませては富岡の行動を把握している。

こんな羽田さんと本田翼は真逆にいると思う。本田翼は正統派美女という感なのだ。僕はCMなどでしか知らないが大体正統派な感じの立ち位置でどこでも出ている人だと思うし、幅広い演技ができる人でもないと思う。

というわけで本田翼は役を作らなくてはならないわけだけど、この役作りが微妙だった。とりあえず低い声を出してぶっきらぼうに会話するというような感じである。本田翼の見た目と全く削ぐわない感じの演技だ。まあまだ自分をさらけ出していない時点のリアル羽田さんはあんな感じなのかもしれないけど。

さらにはエロくない。これは問題だ。シャワー中に慌てて外へ出てびしょ濡れでパンツも見切れている状態で富岡と会話するシーンがあるのだが、色気が全くなかった。なぜなのか。

 

最後に、今後は?

原作にはないシーンで、ちょい役として水曜日のカンパネラコムアイが出ていた。ああ主題歌が水曜日のカンパネラなのかと思ったけど最後に流れた主題歌はTOKIOだった。

予告も見てみるとどうやらコムアイはちょい役ではなく漫画ではもっと先に出てくる役だった。というわけで今後もドラマに重要人物として関わってくるし、この辺の「漫画の尺をどう短縮して映像化するか」というのは注目したい。

原作を変えるなら短縮するのはもちろんだけど、会話の内容も変えてしまったほうがいいと思う。漫画は説明的な台詞も多いけど、それは表現が限られているからだ。

映像は動きもあるし目線とかもあるし声のトーンもあるからいくらでも表現できるし、状況は伝わると思う。そんな状況で漫画通りのセリフがあっても白々しいというかなんか痒くなるというか。