【クレイジージャーニー】船から飛び降りてモリを刺しクジラを捕るという原始的で嘘みたいな手法の「クジラ漁」

僕が毎回楽しみにしているテレビ番組、『クレイジージャーニー』。6月29日の放送はこれまでとはまた違った切り口で面白かった。

 

辺境に息づく稀代の文化を撮る男

今回は石川梵という人がクレイジージャーニーとして登場。この人は世界各国の珍しい文化を撮影している人であるらしい。

これまでに撮影したのはインドの「マハ・クンブメーラ」という12年に一度の沐浴祭であったり、チベットの過酷な祈りの儀式「五体投地」など。なかなか一般には知り渡っていない独特な文化を取材し、映画にもしたりしているようだ。

興味深いものが多く、今回の鯨漁以外にもみてみたいものがたくさんあった。

 

モリを突き刺してクジラを捕る

そんな石川が今回『クレイジージャーニー』と取材に行くのはインドネシア中部にあるレンバタ島のラマレラ村。ここではクジラをモリで突き刺して捕獲するという「クジラ漁」をしている村だ。

このクジラ漁が圧巻だった。本当に漫画のような話で、船から飛び降りた勢いでモリを突き刺すという方法でクジラを捕るのだ。この漁のやり方を伝統的に続けている村らしい。もちろんそんなことをしているのは世界広しといえどもとの村だけだろう。

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その映像は言葉を聞いて頭に描いた通り、上の画像の通りそのまんまだった。『黄金伝説』のよゐこ濱口の「とったどー」とさほど変わらない。

 

まず船の上に仁王立ちになって目視でクジラを探す。これがまずすごい。どんだけ視力がいいんだって話だ。映像では全くわからなかった。そして獲物がいたら船の先端に立っている人が海に飛び込む。その飛び込んだ勢いでモリを獲物に突き刺すのだ。

モリにはロープがつながっているが、モリを刺す人は命綱もなし。Tシャツに短パンというラフな格好(みんなそうだった)。海に飛び込むこと自体が自殺行為のように見えたが、飛び込んでも毎回船に戻ってくるのは早くてすごかった。

 

原始的、と言うより他ない

石川はこの伝統捕鯨に魅せられ、記録に残したいと思い、もう27年もこの村へ通っているという。その中でも実際にクジラが獲れることは珍しいようで(年間30頭程度)時には4年間通ってもクジラとは出くわさなかったこともあったようだ。

そんな話だったので実際に『クレイジージャーニー』でクジラの映像はないんだろうなあと思っていたが、なんと今回実際にクジラに遭遇し、伝統捕鯨の一部始終の撮影に成功していた。しかも漁の撮影初日に。なんと運のいい番組なのだろう。

 

この映像がなんとも圧巻だった。原始的というより他なかった。10隻近くの簡素な船で15メートル級の大きなクジラを我先にとモリで刺そうとする。最初にモリを打ち込んだ船が取り分を決められるのだ。

人間が寄ってたかって大きな獲物1匹を捉えようとする絵は、もちろん見たことはないけれど原始人がマンモスを捉える様を想起させた。

何本ものモリを刺されてクジラは生き絶えた。濃紺の海が赤に染まっていた。

捉えたクジラは砂浜まで引っ張って行き、即解体。ここで思いもよらない事態が。なんとクジラの腹から赤ちゃんが出てきた。体長は1メートルほどに見えたが、見た目はもう十分にクジラだった。

ここに残酷さを感じたわけだけど、でも、生きるためにはやむないことなのだ。このクジラ一頭でこの村の何人もの人が暮らせる。

クジラの骨が所々にオブジェのように飾られているこの村では、クジラは生活保障のような存在になっているのだ。

 

 

おわり

石川は伝統捕鯨の原始的な側面もさることながら、どちらかというと宗教的な意味合いの方をメインとしているのだとか。確かにこれまでの他の取材も宗教がテーマになっているようだ。このクジラ漁の模様、文化を来年あたりに映画としてまとめるのだとか。

ラマレラ村のクジラ漁は文字通りモリで突いて獲るだけという原始的な方法、一見では命知らずの馬鹿者の諸行にも思えるのだが、その光景はなんとも魅力的だった。

最後に、村の子供たちがモリで突く練習を海岸でやっていたのが印象に残った。