読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

2016年のアニメ映画が大豊作だった理由は、スタジオジブリが解散したから?

映画

昨日の宮崎駿引退撤回の記事を書いていたときに思い出した話がある。なぜ去年の2016年の日本のアニメーション映画は豊作だったのかという話だ。

去年は『君の名は。』、『この世界の片隅に』、『聲の形』など、アニメ映画が異例のヒットを記録した。アニメ映画大豊作の年と言っても誰も否定しないだろう。

このような日本のアニメ映画のヒットの影にはちょっと面白い理由がある。

 

昨年2016年に日本のアニメ映画が大豊作だった理由

これはガイナックスの初代社長の岡田斗司夫氏がどこかで喋っていた話だ。

2016年に日本のアニメ映画が豊作だった理由の一つとして、スタジオジブリの解散があるのだという。

数年前の『風立ちぬ』の後の宮崎駿引退会見の後にスタジオジブリ解散という報道があった。実際には、解散ではなく作り方を変えるという話だったらしいのだが。

matome.naver.jp

解散ではないにしろ、これによってアニメ業界が受けた影響は少なくはなさそうなのだ。

 

で、なぜジブリ解散が2016年のアニメ映画豊作につながるのか。話は簡単で、これまでジブリが抱えていた質の高い作画スタッフが、ジブリの仕事が終わったことでいろんな映画制作の現場に携わるようになったからだ。

君の名は。』や『この世界の片隅に』では元ジブリのスタッフが関わっているらしい。これによって作画の質が向上し、映画のヒットにつながったというのだ。

これまでは、日本の質の高いアニメ作画スタッフをジブリが総取りしていたのだ。

 

作画スタッフでそんなに変わる?

ジブリから優秀な人材が放流されて様々な作品で活躍しているということはわかった。けれども同時に、作画の質で映画の出来がそれほど変わるのかという疑問が湧く。

ただこれは、作画スタッフを普通の実写の映画と置き換えてみると疑問が晴れる。アニメの作画スタッフとは、実写映画で言うところの俳優の役割なのだ。作画スタッフというのはキャラクターの演技を絵で表現する人たちなのである。

 

作画スタッフは俳優、考えてみれば確かにそうだなと思う。俳優は「こういうシーンがあります、演じてください」で演じてそれを撮影すれば1カットになる。

これをアニメでは「こういうシーンがあります、書いてください」で作画スタッフが全て書くのだ。背景とかは分業だろうけど、演技どころか動きの全てを書かなければならない。

キャラクターをどうやって動かして、演技をどう絵にして表現するのかというのが仕事だ。俳優と同じような仕事だし、それ以上の仕事量になる。

 

なんとなく話がわかってきた。極端に言ってしまえば、これまでアニメ業界ではスタジオジブリだけが有名俳優や実力派俳優などを使っていたということだ。

実写映画であれば、俳優は他の撮影と重なってもできるだろうし、例えば1年とか長く撮影が続くような映画は稀だろうからたくさんの映画に出ることができる。

けれどもアニメの作画スタッフはそうはいかない。例えば、ただ歩く演技は実写では一瞬だが、作画でやるとなるとそれだけで膨大な絵を描かなければならない。

アニメの場合、やることが多すぎて他の仕事とは並行してできないだろう。さらに制作には何年もかかる。その間はずっとジブリにいるわけだ。他の映画の仕事はできない。

 

作画スタッフの質の高さがもたらす効果

作画スタッフの質の高さは『この世界の片隅に』ではものすごく感じた。主人公のすずちゃんがものすごく良く動いていて本当生きているみたいだった。

最初は「すげー動いてる!」と驚くのだが、あとはもう凄すぎて普通に見られる。現実に存在するものとして見られるのだ。

これは実写映画の俳優の演技のうまさを見る感覚と近いかもしれない。演技のおかしい俳優がいると最後までどこかちょっとひっかかってみてしまうが、皆上手ければ自然と映画の世界に入り込んでいける。

 

僕は見ていないのだが『君の名は。』でいうと、走るシーンで、女の子の走り方と男の子の走り方をちゃんと書き分けているところに作画の質の高さがあるのだという。

書き分けていない場合は、例えば実写の場合「あいつ演技下手すぎだわ」ってな感じで冷めてしまう。アニメの場合でも「男と女が同じ動きってありえない」ってな感じで冷めてしまうだろう。

作画の書き分けがきちんと出来ていない場合、感覚的に「アニメってやっぱこんなもんだよな」というふうに思ってしまいそうである。

2016年のアニメ映画は、このようなディティールの部分の質が高かった。このおかげで、もう「アニメ=子供のもの」という偏見は無く見られる段階に達している。

 

おわり

もちろんこれが全てとは言わないが、2016年のアニメ映画のヒットの裏には少なからずジブリ解散が関係していると思う。

昨日の宮崎駿引退撤回そして長編映画制作開始で、またアニメ業界は変わってしまうのだろうか。宮崎駿もCGに手を出したようだし、作り方も変わっていくかもしれないが。

 

 

slices.hatenablog.com

slices.hatenablog.com

 

 

 

広告を非表示にする