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芸人のリズムネタが定期的に流行るのは何故なのか?SNS時代の共通体験

考え事 音楽

僕は未だにピコ太郎のPPAPをちゃんと見たことがない。ワイドナショーを毎週見ているからそこで話題になっていたのをちょろっと見たことがあるだけだ。

まあ、ぱっと見でも多分ちゃんと見ても僕にとっては好きなものではないことには変わりはない。とはいえ流行語大賞のトップテンに入ったり紅白歌合戦の出場も決めるなど、ピコ太郎のその勢いはとどまることを知らない。

 

それにしても、まあなぜだか定期的にリズムネタが流行る。それもかなり爆発的に流行る。SNSで伝播してyoutubeで手軽に見られるからだ。

簡単にアクセスできるとはいえ、「世界で何万再生」とか聞くとそりゃあもうすごいことだなと感じる。だがしかし、こういうのは逆に冷めるのも早い。一気に話題に上って一気に下降する。

ネット時代で伝播するのは早くなった一方で、落ち込むスピードも同じように早くなった。

 

さて、こうして爆発的に流行るものに、なぜかリズムネタが多いように感じる。「ちょと待てちょと待ておにーさん」の8.6秒バズーカや「あったかいんだから〜」のクマムシ、そしてピコ太郎などなど。

で、これが順番に来ると思いきや隙間にほどほどに空白期間が空いてやって来る。これはなぜだろう。

 

昔と今とで考えると、僕は今の時代の若者に「音楽の共通体験が少ないから」なのではないかと思っている。コレは僕は音楽業界が輝いていた90年代に多感な時代を過ごしたからそう思うのだ。

 

あの頃は日常に音楽が流れていた。もちろん今もそうだが、あの頃はテレビ、ラジオなどの媒体で同じ曲が何回も流れていたのだ。テレビをつければ視聴率の高い音楽番組がたくさんあった。ドラマも視聴率20パーセントのものばかり、タイアップの主題歌はバンバン売れた。みんな、どこかしらで耳にするのだ。

こういった環境が多感な若者たちにどういった影響を及ぼすのかといえば、自分が好きでもないアーティストでも、売れている何曲かはサビくらいなら知っているということなのだ。

で、これが若者たちの共通体験のようになっていたと思う。みんなが知っているのだ。口ずさんだりアーティストの話など、その音楽を話題にしてコミュニケーションをとっていた。

 

今の時代は音楽は売れなくなった。ただ、音楽自体はまだたくさん聞かれていると思う。ライブなどの動員は90年代よりも増えていると聞く。同時に90年代よりも音楽の趣向は多様化している。みんな自分が好きな音楽をそれぞれに楽しんでいる。だからこそ爆発的にヒットする曲というのは存在しない。

こうして多様化している音楽事情では、音楽は若者たちの共通体験ではなくなってきているのだ。

こうして音楽は「共通体験で一緒に盛り上がる」というポジションから離れていった。そしてそのぽっかり空いた穴に、芸人のリズムネタが入ってきたのではないだろうか。

 

音楽の代わりになっているのは一発芸というものの中でも特にリズムネタだ。これは音楽の共通体験に近い。口ずさみやすい、自分も歌いたくなるようなもの。特にリズムのノリがいいものは受けがいい。

音楽の代わりなのでリズムネタなのだ。音楽と同じように、自分でも口ずさみたくなるという感覚が大きいような気がする。こういうものは友達同士で一緒に楽しめる。

これが今の若者たちの共通体験になっているのではないだろうか。

 

コンテンツをみんなと共有して一緒に楽しみたいという感覚は今も昔も変わらずあるのだ。

 

 
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