最近の松本人志が人として強すぎるので、あんまり笑えなくなってしまった。

最近のガキの使いでやっている新企画が面白い。「スマホなしで待ち合わせ」という企画だ。もう3度目くらいになるだろうか。

 

スマホなしで待ち合わせ

スマホなしで待ち合わせ」とはその名の通りの企画である。

ガキ使メンバーに曖昧な待ち合わせ場所を指定して、その曖昧な場所を各自スマホなしで考えてタクシーで向かう。もちろんメンバー間での相談もなし。曖昧な場所のイメージを皆で共有できているか?その場所に全員が集まれるか?という企画である。

 

伝える曖昧な待ち合わせ場所というのは、「有名なホテル」や「大きい駐車場」や「大きい看板がある場所」など、ふわっとしている。

いろんなイメージが湧くお題に対して、各々が「都内でホテルといえばここだろう」と、思いついた場所に個別で向かう。スマホなどを使わず、お題で連想された行き先は自分一人で考えて決める。

各自のお題のイメージが一致すれば待ち合わせ場所で会えるというわけだ。ともすれば一つのお題でも終わってしまう企画だ。

ガキ使メンバーのそれぞれのお題に対する場所のイメージが一致するかどうかを楽しむ企画である。

 

これが結構面白い。ガキ使メンバーの個性が見える。やっぱり価値観も違うのだなと思わされる。そのズレが面白いのだ。

 

数の論理

以前のお題の一つに「ホテル」があった。「都内でホテルといえば?」というイメージをガキ使メンバー5人がそれぞれ考えて場所に向かう。

ホテルと一言で言ってもたくさんありすぎる。考え方はそれぞれ違う。ダウンタウンが上京してきた時によく使っていたホテル?単純に大きくて有名なホテル?ホテルとして権威のあるホテル?選択肢はたくさんある。

ここでいち早く、松本と月亭方正が待ち合わせに成功した。場所はダウンタウンが上京してきた時によく使っていた、「吉本といえばここ」というホテル。

その他、浜田、ココリコの2人は全く別のところに行っていて出会えず。

 

この時に、松本は「なんでお俺らは出会ったのに、お前らは来ないねん!」と松本が激怒する。松本が切れるパターンはこの企画でおなじみの流れになりつつある。

割と松本と月亭はイメージが一致する。過去3回を見るとそうなのだ。

この企画では、一人とでも出会った方は気が大きくなる。自分たちが正しいと思えるからだ。他のメンバーに「なぜここじゃないんだ」と言い始める。

 

このとき、浜田がしきりに突っ込んでいたが「数の論理」である。お題のイメージに近いかどうかよりも、集まった方が正しい。こういう理屈になってしまっているという指摘だ。

で、僕はこの浜田の指摘がもっともだなと思った。真面目か!とも思うんだけど、「なんで来ないねん!」とキレる松本がちょっと怖かった。もちろん笑えたけど、いつもより笑えなかった。過去3回と同じ反応の松本に飽きたということもあるかもしれない。

 

昔は「怒り」は笑えたけど

これを見ていてふと思ったのが、最近、松本の怒りが笑えなくなってきたってことだ。

昔はガキのフリートークなどで松本が言う、世の中に対するクレームや横柄な浜田に対する怒りなどが笑えた。ブチ切れながらしゃべる松本は面白かった。

それは弱者がユーモアを交えて一風変わった論理で攻め立てるから面白かったのだ。そんな細かいところは気がつかなかったというような目の付け所の違いとか、巧みな話術とアイディアや発想が面白かった。

 

これは誰が言っているかが大事なのだ。毎度のように理不尽に浜田に頭を叩かれている瘦せぎすの松本がブチ切れているから面白かったのだ。

つまり弱者が言うから面白いのであって、強者がいうと笑えなくなる部分もある。

言わずもがな、今や松本人志の体型はプロレスラーと遜色がない。完全な強者だ。もちろんあの頃も誰よりも稼いでいて社会的には強者ではあったのだけど、見た目の変化は大きい。

松本は今では身体的な強さも手に入れてしまったのだ。身体的な強さは浜田の暴力も跳ね返してしまうというイメージがつく。

 

松本と浜田のバランス

松本は『ダウンタウンなう』などでも、浜田の天然ボケ(酒をこぼしてしまったり、変なタイミングで食べたり)を強烈にいじる。街で歩いていていちょっとつまづいたりしても鬼の首を取ったようにいじる。

こういうのは昔は面白かったけど、なんだか最近は笑えなくなってしまった。なんでだろうと考えると、やっぱり松本が人として強くなりすぎてしまったからだろうと思う。

松本と浜田のパワーバランスが変わってきている。以前は浜田が怒鳴る、叩く、圧倒的暴力。その上で、その暴力に対して面白い発想の笑いで戦っていた松本。浜田という理不尽なルールに対して笑いで対抗していたのだ。

 

最近のガキの使いで松本は、浜田の最初の企画タイトルの怒鳴り(第一回ガキの使いやあらへんで!!チキチキ〜)から「声がでかすぎる」といじる。

これに対して浜田が暴力のツッコミで答えるとバランスとしていいのだろうけど、最近の浜田は言われっぱなしになってしまっている。

最近浜田がツッコミで松本の頭を叩いたことがあっただろうか。僕は減ってきていると感じる。松本の身体的強さと浜田の暴力的なツッコミが減ったことによって「浜田という理不尽なルールに笑いで対抗する松本」という構図が薄くなった。このために、昔のように松本が浜田をいじっても、それほど笑えなくなってきたのではないだろうか。

 

おわり

これは身体を鍛え始める前に松本が自分で言っていたことだ。『遺書』などの松本の本に書いてあった気がする。「芸人が鍛えても笑えなくなる」とか「芸人の立場はある程度虐げられたところからの笑いだ」とか。

若い頃の松本が考えていた「芸人に必要なこと」が、今の松本からは失われてしまったのだろうか。

 

 

 

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