庵野秀明監督「シン・ゴジラ」感想。石原さとみ問題とシン・ゴジラ強すぎ問題。

ようやくシン・ゴジラを見てきた。最初は「見に行こうかなあ」くらいだったのが、いろんなところで話題になっていたのを見て「見なければ」に変わった。

そしてその選択は間違っていなかった。見てよかったと思う。よくできた映画だった。

 

ネタバレ記事です

僕が見ているネットのニュースサイトなんかではシン・ゴジラについてあれこれ考察しているものが時折挙がっていた。読みたかったけど観に行くと決めてから一切読まなかった。

それでも羅列される記事タイトルくらいは目に入ってしまうし、動画でいきなりシン・ゴジラの話題になって少しネタバレされてしまったりした。

僕が見る前に知っていた情報は以下だ。

  • ゴジラ以外はリアリティがあるという演出
  • 石原さとみが浮いているということ
  • 4DXで見る必要がない→会議のシーンが多い

この三つだった。この程度のネタバレしかなかった(そもそもネタバレとは言えないかもしれない)ので僕はシン・ゴジラを十分に楽しめた。

以下の記事はネタバレを含むので気にされる人は読まないでほしい。

 

シン・ゴジラ

シン・ゴジラのシンってなんだんだろう。新?真?どっちでもいいけどこれまでのゴジラとは違うという意味付けだろう。

僕はこれまでのゴジラは子供の頃に見た記憶がうっすらあるだけだけど、それとは違うなと思った。

 

ゴジラ、キモチワルイ

最初に出てきたゴジラは拍子抜けだった。海から尻尾だけ出て、引っ張って引っ張って上陸して全貌を現したゴジラのコレジャナイ感ったらなかった。動きも見た目も気持ち悪かった。

歴代最大のゴジラとは前情報で知っていたし、ゴジラの見た目もわかっていたから、まあこれがパワーアップしていくのかなと思ったが、まさかこいつを餌として追ってきたゴジラが来て関東をトムとジェリー的に搔き回す超展開くるかと思ったりもしたがそんなことはなかった。

ゴジラ、硬い

ヘリからの銃撃をカキンカキンと弾くゴジラ自衛隊の命中率すごいなと思ったりもしたけど、それにしてもゴジラの皮膚は硬かった。弾く音でゴジラの皮膚の鎧のようなイメージが伝わった。

エヴァとか出てきて殴ったりするしかないんじゃね的な感じ。

ゴジラ、強すぎ

一度は米軍のミサイルが効いて、「やっぱ米軍頼りの日本かー」と思ったりしたけどシン・ゴジラは強かった。

そりゃあゴジラだから口から火を吐くだろうなとわかってはいたけど、その演出はかっこよかった。めちゃめちゃ口が開いていた。あの辺は特撮ではできないところだ。

正直CG感で迫力の無さを感じるシーンもあったけど、このシーンはCGだからこその迫力だった。

さらに今回のゴジラは背びれからもレーザービームを発射していた。無差別レーザービーム砲だ。これちょっと強すぎじゃねと思った。

 

石原さとみ問題

ネットのいろんなところで見られた石原さとみが浮いている問題。先にも書いたがネタバレしてそうな記事はタイトルしか読まなかったので「石原さとみがなんかダメそう」という印象しかなく見てみたのだが、確かに石原さとみにツッコミたくなる映画だった。

石原さとみはまさかのアメリカ政府側の人間として(ハーフかクオーター?)出ていて、カタカナは英語でしゃべる感じの「そもそもそれだけでうざいよね」という難しい役を演じていた。

その上では石原さとみ自身は役を全うしていたなと思う。僕はCMくらいでしか彼女を見たことがないけど、ちゃんと演技していたし、英語も上手いなと思った。

そもそも出演者に女性が少なかったことも浮いた原因かもしれない。他の女性と違って、女性らしさを持った役だったからより浮いて見えた。

日本の官僚機構は女性がほぼゼロな反面、海外からは実力のある女性がやってくるという演出はわかりやすい風刺のような感じがした。

 

まあ石原さとみ問題は、選手は悪くなくて、使った監督が悪い問題だ。石原さとみは先日のハリルジャパンの大島僚太のような感じである。

まあ大人の事情で配役されたのだろう。役所としては日本にゆかりのある外国人女性であれば、物語の邪魔にはならかっただろう。それなら個人的にはハリウッド的なエロいねえちゃんか、無名の外国人女優とかでいいと思った。

 

ゴジラ以外はリアル

日本の官僚機構のガチガチな感じがずっと描かれていた。最初のゴジラ出現なんかは、なかなか判断を下さない政府に対して苛立ったからゴジラを応援したくなるくらいだった。

国の動き方のリアルはわからないけど、実際あんな感じなんだろうか。どんな場面でも情報を紙でやりとりしていたのが印象に残った。

 

国の鈍足さと現場を知る行動派との対立が書かれていたが、それほど2項対立の図式が過剰ではなかったところにリアリティを感じた。

最後に世界(ほぼアメリカ)に頼って核を落とすか主人公の作戦を通すかという選択になり、それが物語の焦点となる。

ここまでシン・ゴジラを見てきて「大勢の人間を動かすにはやっぱりこういう官僚機構の方が失敗が少ないのかもしれない」と思い始めていた僕は、なんだか微妙な気持ちになった。

やっぱり現実の世界には分かりやすい悪ってなかなかいない。みんなそれぞれの立場でちゃんと筋の通った考えを持っている。それが対立してしまうのだから難しいのだ。

 

おわり

僕は映画を見ている絶対数が少ないから(特にこういう怪獣物)わからないけど、こういう切り口の怪獣映画ってこれまでなかったんだろうか。

怪獣以外をリアルに描く。これはすぐに思いつきそうな設定ではあるけれどシン・ゴジラ以外に僕は知らない。怪獣物はやっぱり怪獣やそれと戦うなんとか戦隊みたいなやつをおもちゃとして売るということが前提にあるのだろうか。

 

この映画ではどうしても東日本大震災を思い出してしまう。瓦礫の山を見ても、政府の対応や防護服姿を見ても。

シン・ゴジラの世界では、「日本を作り直す」という希望が投げかけられて終わるのだが。

 

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