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矢沢永吉「成りあがり」読了。音楽で、人生で成功するために必要なこと

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矢沢永吉の「成りあがり」を読んだ。この本は、現在66歳でバリバリとロックミュージシャンをやっている矢沢永吉が、キャロルを経てソロデビューした28歳の時期に書かれた本だ。

貧乏な家庭に生まれてから、成りあがった28歳までを赤裸々に語っている。

 

まず最初の分かれ道

幼少期の矢沢永吉の家庭環境は壮絶だった。母親は3歳の時に蒸発、父親は小学2年生の時に亡くなっている。

親戚をたらい回しにされ、結局おばあちゃんに育てられたという。

小学生当時はどうしたら腹一杯の飯が食えるのか本気で考えていたらしい。初の仕事は小学校5年生。近所の屋敷の掃除だ。

のっけから壮絶で言葉を失う。よくテレビで芸人が面白おかしく貧乏話をネタにしているが、それとはわけが違う。

そんな環境で最初の分かれ道があった。

こういう背景で育った子供は、ふたつの道に分かれると思う。

一つは、「じゃあ、いっそイジケてグレちゃう」。グレて、イジケて他人を蹴り倒して、女をトルコに売り飛ばしたりしてね。

もう一つは「意地でも自分の手で」何かをつかんでメシを食う。

俺は後者だった。

スーパースターとなった矢沢永吉の最初の人生の分かれ道は、ここでの考え方にあったのだと思う。

こういう話もね、十八か十九くらいになって、親父が正座させて「おまえ考えろ」って、説教されて考えるのと違うんだ。それは、まだ幸せ。

肌で考えなきゃいけなかったってのが悲しいことよ。

こう続く。誰に教えられるでもなく、自分が生きるために考えなければなかった環境なのだ。「どんな道を歩むか」を考えているのではない。単に「生きるため」に考えなければならなかったと。

そうやって歩んだ幼少期。もう小学校3年生の頃くらいから働きたいと思っていたようだ。そんなことって今の日本で考えられるだろうか。

矢沢永吉は逆境を糧に成功する人である。逆境ごときでは潰れないのだ。ただの根性論に聞こえるかもしれないのだけど、これが真実である。

 

持って生まれた才能と考え方

それからしたたかにバンド活動を重ねて成功していった矢沢永吉

つまるところ、才能のある人はたくさんいるのだ。そこでなぜ矢沢永吉が成功したのか、これにはいろんな要素がある。

才能は身体的特徴であって、ハードなのだ。ハードにはソフト(考え方)も必要なのだ。

早くから音楽理論を本で勉強する姿勢。目的のために人間関係で狡猾に動き回る姿勢。印税などの仕組みを勉強する姿勢。そのどの姿勢も、同じロックミュージシャンでは真剣に考えていないものだと思う。

バンド運営にあたって、バンドメンバーにはこのような矢沢の姿勢が理解されなかったようだ。それでも矢沢は、確固たる自分の考えを持って前へ進んでいった。

 

矢沢永吉の行動力の理由

行動力というのは人生において非常に重要な力だ。だけど、僕は先に頭で考えてしまうので、なかなか行動に移れなかったりする。

何かを決めなければならない時、新しく何か始める時、辞める時、うじうじと考え続けてしまうのだ。

矢沢永吉にはバイタリティがある。行動力がある。この行動力には理由があるという。

オレっていうのはね、メチャクチャ安心してないと気がすまない男なんだよ。

でも、やってることは、常に不安だらけ。

どういうことかって言えば、安心したいがために行動する。だから、行動が早い。

この本でいろんな場面で矢沢の行動力が発揮されるが、矢沢は「安心したいから行動している」と言う。

この話が出たエピソードでもキャロルの解散コンサートの話を進めていると同時に、もう次の構想を練ってアメリカへ行くと決めて動き出している。

「不安を消し去るために自ら手を打っていく」というスタンスなのだ。さらには、そんな自分を「安心したいから行動している自分」を客観視できているのが矢沢永吉のすごいところだと思う。

 

おわり

矢沢永吉が成功したのは、もしかしたら運の要素もあるのかもしれない。だけど、この本を読んでいると、なるべくして成りあがった人だとしか思えないのだ。

そしてそれが、決して音楽の世界だけではないということ。どんな世界でも矢沢永吉の姿勢、考え方を持っていたら大成すると思う。

どんな本よりも価値がある本ではないかと思える本だった。ビジネス書とかの「人生に役にたつ言葉」みたいなものではなく、格言とでも言えるような心の響く言葉とエピソードがあった。僕は読みながら何度も泣いた。

 

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