酒の席でテーブルに並ぶ中トロのにぎりと若鶏の唐揚げ。どっちから食べる?

30代に入ってから、歳をとることについて少しずつ考えるようになってきた。結婚式で何年ぶりかに会った友人は頭が寂しくなっていた。体型が変わってしまっている奴もいた。老いが身近になってきている。

最近あった酒の席で、おじさんと若者の狭間を感じたので書いておこう。

 

友人同士での飲み会

友人同士での飲み会の話だ。会といっても4人。丁度いい人数での酒の席だ。お互いに顔は知っていて仲も良く、各々分かれて飲んだことはあったのだけど、4人揃っての酒の席は初めてだった。

構成は僕含め30代が2人と20代の大学生と20代の社会人だ。僕はもう1人の30代男とは知り合って長く、何度も飲んだことがあった。非常にウマが合う相手だ。オシャレなデザインパーマが良く似合っているので以下デザインパーマと呼ぶ。

デザインパーマはフレンドリーなので20代の2人とは1度くらいは飲んだことがあったようだ。今回はみんなの時間が合ったのでデザインパーマが音頭をとって4人で飲めることになった。

 

お初のメンバーでの飲み会の始まりは気をつかう。

それぞれが一杯目を選んだ後、どんなつまみを注文するか、気を使って面倒なことが多い。でも今回は、20代社会人が結構グイグイの人で、片っ端からつまみのメニューを選んでいった。ちゃんとそれぞれの話を聞いてうまくやってくれた。

そんなことで、一杯目を飲んでいるうちから、テーブルには乗りきらないくらいのつまみがずらりと並んだ。たくさんのつまみが同時にきた。一気に頼んでしまったことはこちらの問題でもあるけど、こういう時は居酒屋側もなんとなく調整してほしいものである。

 

何から食べるか、それが問題だ

ともかく、僕はテーブルに並べられたつまみの数々の本質を瞬時に見抜いて何から手をつけるか決め、実行した。

その中で、最初の一口は中トロのにぎりしかありえなかった。

その日、店でマグロフェアというのをやっていたので、僕らは思い切って中トロのにぎりを頼んでいたのだ。それをベストコンディションのうちに頂きたいというわけだ。

 

とはいえそんな僕の野心は発表することなく「おーたくさん来たねー中トロうまそー」とか何とか言いながら中トロに箸を伸ばした。

当然のようにデザインパーマも中トロに箸を伸ばし、僕らは舌鼓を打った。ほどよく脂が乗っていてうまかった。海鮮系の居酒屋であるし、フェアをやるだけあって僕らを後悔させなかった。

そうして僕たちが大間の漁師たちに感謝する中、20代の2人はなんと若鶏の唐揚げから攻めていったのである。

テーブルに置いてある皿の位置は関係ない。まあまあ腕を伸ばして唐揚げからいったのである。

デザインパーマと僕は顔を見合わせた。

 

なるべく全てを美味しく頂くためには、味の薄いものから食べる方がいい。僕の考えでは、そのテーブルの上で、中トロよりも先に若鶏の唐揚げをいくというのは一番ありえないことだった。

人とご飯を食べるというのは「会話もスパイスのうち」だとも言われる。会話は僕の一手を皮切りに中トロになり「中トロうまい!」になっていた。みんなの舌が無垢な状態で、照明にやられる前のいい状態の中トロを味わって欲しかったのだ。

さらに驚きなのが20代の2人が、中トロの会話をスルーし、ばくばくと他のものを食べ出したことだ。問題の中トロは3、4番目くらいにいっていた。

きっちり人数分あったにぎり。魚介類が好きだと言って入った店。にもかかわらず中トロを軽視しすぎなんである。

 

おじさんと若者の狭間

僕がこの時感じたのが、おじさんと若者の狭間だ。

僕は内心では衝撃だったし中トロから食べて欲しかった。でもまあこんなもん個人の自由だなと思ってデザインパーマと顔を見合わせるだけで終わったのだ。「その瞬間一番食べたいものから食べる」それでいいじゃないかと。

ここで「いや、お前ら何で中トロ食わないの?一番じゃなくてもいいけど2人揃って唐揚げて油に舌やられるじゃん薄味のものからいこうよ会話の流れもあるし」みたいなことを発言してしまったら、もうおしまいなのだ。口うるさいおじさんなのだ。

 

 

おわり

中トロ問題が巻き起こった飲み会で、僕が中トロから食うことの重要性を語ることもできた。でも僕はその時、「言いたいけど言うとしたら長くなるな」と思って躊躇した。

ちょうど今日のこの記事のように、長く語ることになってしまう、そしてそれは口うるさいおじさんだなと思ったのだ。

 

 

 

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