厳しい男の話

短期間に2度の交通事故に遭遇した人の話を聞いた。本当に不運で、こんなこともあるんだね、車社会は怖いねって僕は思った。

 

不慮の事故

1度目の事故はいわゆるもらい事故だ。追突されたらしい。僕は経験はないけど、後ろからの突然の衝撃なのでかなり首にくるらしい。結果的には体に異常はなかったようだけど、一応病院に行ったり、そもそも事故の対応は面倒臭いし、散々だった模様。

それから1ヶ月も経たないうちに、2度目の事故に遭遇。田舎の小さな交差点で一時停止をした後、のろのろと交差点に進入するタイミングで、横から原付バイクが突っ込んできたらしい。相手は免許取りたての16歳だったようだ。

この事故はもしかしたら車側に回避の余地があったかもしれない。原付の音は聞こえなかったんだろうか。

 

まあでも、短期間にこんな事故が続くなんてかわいそうだ。同情する。車を運転する者にとっては、「運が悪かったね」と言うしかないような2つの事故である。

 

厳しい男

職場での、とある会話の一幕だ。この話を、3人で話していた。事故の顛末を話す人、初めてその話を聞く僕、同じく初めてその話を聞く厳しい男(のちの)の3人だ。

「へー怖いですねーこっちが気をつけていてもしょうがない部分ってありますもんねー」なんて僕は言っていた。

事故の顛末を話す人とともに「そうだよねー気をつけてもねー」なんて共感していた。まあ、当たり障りのない内容の会話である。

そうして会話の流れは、「事故後のやり取りも相当面倒臭いよねー仕事に支障が出ちゃうよねー」なんて流れになっていた。

 

その時、厳しい男が口を開いた。

「1度目の事故でドライブレコーダーを導入しなかったのは彼(事故当事者)のミスですね。」

と、冷静に言い放ったのだ。

 

。。。

 

((厳しいっ!))

と僕は思った。

 

まじか、そうなのか。その一言で場は凍りついた。

いや確かにそれは正しいかもしれない。この一言で色々と考えさせられた。ドライブレコーダーがあれば、事故の後処理もスムーズにいくのかもしれない。

でも、急にその身に降りかかった、踏んだり蹴ったりの事故だ。車は修理に出しただろうし、事故後にすぐ、1ヶ月も経たずにドラレコ買う気持ちにはなれないだろう。経済的にも精神的にも。

 

続けて厳しい男は

「もしかしたらブレーキが遅くて追突されたのかもしれないし、2度目は本当にちゃんと一時停止していたのかもわかりませんよね。本当のところどういう事故だったのかは、見ていないからわからない。」と言った。

その後たたみかけるように、「車を運転していた側の意見しか聞いてない、その人の主観であって自分を守りたい意識はあるだろうし」などと喋り出した。

実に厳しい男なんである。

 

それを言うなら、もうこの会話は成り立ちようがないのだ。明確な事実はどこにもないから。事故の経緯にどんな事情があったのかはわからない。

ただ、厳しいだけで、間違ったことは言っていないなと思った。

場は「そ、そうですねー」と苦笑い。この会話は終了した。

 

 

厳しい男は、車の免許は持っていない。

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