健康診断に行ったら、甲状腺が大きいと言われた。

健康診断に行って来た。年に一度の気乗りしないイベントだ。

健康診断の日程が組まれた時になって、ようやく去年の健康診断のことを思い出した。たしか血圧が高いと言われ、自分で血圧計を買うように言われたのだ。

さすがにその時は不安になったので、その日にAmazonで血圧計を買おうと調べた記憶がある。腕に巻くタイプの、わりと本格的なものを買うように言われたのだがそのタイプは結構な値段がした。とりあえずまた今度にしようと思っていたら、いつの間にか一年が経ってしまった。

なんにせよ、健康を気にする年齢になってきた。


僕が受ける健康診断は1時間かからないくらいの簡単だものだ。採血、検尿、血圧、心電図などなどをやったのち、最後に医師の診察を受ける。

今回の診察はスムーズに進んだ。何も心配ないようだった。去年に指摘された血圧も大丈夫で一安心。コレステロール値などの数値も大丈夫だった。

先生に「いいねえ。スポーツでもやってる?」と聞かれたほど。やってないけど。自分ではそこまで気を使ってないし、不規則不摂生な生活をしている自覚があるのでなんだか嬉しかった。

 

そんなこんなで安心していたら、なにげなく先生が僕のどぼとけの下の方を指でつまんで、
「大きいなぁ...。」
と呟く。

 

少しの沈黙。

 

一緒に診察室にいた看護師さんが僕のTシャツの首もとを広げた。そしてまた指でつまむ先生。
「大きいなあ。甲状腺が大きいなあ。」

甲状腺といえば真っ先に甲状腺癌を連想する。あの震災以来そうだ。僕は関東に住んでいるので、ニュースなどで取り上げられていたらやっぱり気になることのひとつだ。


甲状腺大きいって言われたことない?」と先生。
そんな経験はなかった。僕は病院には全くと言っていいほど行かないけど、医者に甲状腺を見てもらう機会ってそうそうあるものなのだろうか。

ないと伝えると、内科に一度見てもらった方がいいと勧められた。深刻な感じで「大きいなあ」と呟いていたわりに、そっけなく言われた。そして「ベットに横になって。」と言われ、すぐ次の診察内容に移っていった。僕は甲状腺という言葉に動揺していて、その後の診察ではずっと心ここに在らずだった。詳しく聞いてみるという考えにならなかった。

 

医者の一言の重み。

医者の一言は僕のような知識のない一般人にとっては重い。「いいねえ」なんて言われたら嬉しいし、深刻な感じで「大きいなあ」なんて呟かれたら不安になる。

感情がこもっているより、事務的に扱われた方がまだ良かった気がする。

僕にとっては一度持ち上げられて、そこから落とされたような状態だ。不安はまだ消えない。またきちんと診察結果が出てきたら内科に行かないとなあ。