鬼の目にも涙、伊集院光のてれび。

今週もBSトゥエルビで放送中の「伊集院光のてれび」を見た。#1、#2の真剣じゃんけん女芸人編に続き、カワイコちゃん編だ。カワイコちゃんというのは、女優の卵だったり売れないアイドルだったり、これを機会に売れたいと思っている女性タレントだ。
 
この真剣じゃんけんというのは、番組が設定したルールのもと行われるじゃんけんで、勝者には「伊集院光のてれび」のレギュラーが与えられる。
 
まるで究極の選択のようなエグいルールがこの企画の肝だ。全員がレギュラーになる方法もあるし、それを裏切ることもできる。それをどうするのか2時間かけて話し合う。そして、じゃんけんで決める。最終オーディションまで勝ち残った女性タレント8名が、じゃんけんでレギュラーを争奪するという理不尽な企画。
 
こちらに女芸人編の感想も書きました。
 
#1、#2の女芸人編の方が各々よく喋るしキャラがたっていて、全体的な流れがわかりやすかった。今回のカワイコちゃん編は、2時間の話し合いが殺伐としていて、女芸人編よりさらにドキュメンタリー作品のような感じがして引き込まれた。
 
今回も同じルールなので、前回よりも少し冷静に見られたかもしれない。自分だったらどうするかとか、こんな奴もいるだろうなとかいろいろ見ながら考える余裕があった。
 
 
疑心暗鬼。
話し合いでは当然のように、全員がレギュラーになるという意見が多数派になる。まずは8人全員がレギュラーの機会を平等に得て、そこからは実力で勝負しようといういかにも正しい意見だ。
 
ただ、腹の内では何を考えているかわからない。他人は他人だ。ほとんどの者が初対面のようだった。女芸人編では、事務所や上下関係や前回の番組でのレギュラー同士などの理由から派閥のようなものが出来上がっていた。そしてその派閥があることによるジレンマが見どころの一つでもあった。だけど今回はそういった関係は少なく、派閥のようなものはそれほどなかった。それだけに殺伐としていた。
 
「裏切らないとは言い切れない」という者が出てくる。めぐりめぐって正直者に見える。正直者って、いい奴だ。
 
人を信じる気持ちがあるしその方がいい世界だというのと、とはいえ我が身はかわいいよね、世の中は裏切り裏切られだよねというのと、簡単に正義と悪とくくれないものがある。理想と現実をどう捉えるかということを考えさせられた。
 
 
おいそれとは信じられない結末。
予想していなかった結末、というかそう予想したいけどおいそれとは信じられない結末が訪れた。僕は感動して泣いた。これが、多数派が話し合いによって導いた答えだったとしたら、面白くはない。感動もしなかっただろう。結果が同じだったとしても、プロセスが全く違うのだ。
 
同調で決まったのではない。それぞれ個人が葛藤してジレンマにとらわれながら、頭が痛くなるほど考えただろう。考えたくもなくなっただろう。そして出た答えに、人間の良心を見たから感動したんだと思う。この悪魔的企画を立案した伊集院光も泣いているようだった。
 
伊集院光のてれび」、作品化されたら絶対に買おうと思う。
 
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