じゃんけんだけの人間ドラマ、伊集院光のてれび

伊集院光のテレビ番組が始まった。「伊集院光のてれび」、BSトゥエルビで放送中である。

伊集院光ということで、お笑い番組かと思いきや、そんなことはなくてドキュメンタリー番組だった。もちろん笑えるところもあったのだけれど、感心するというか、引き込まれていってしまう感じだった。#1、#2を見て、まるで一つのドキュメンタリー映画を見終えた時のような気持ちになった。


じゃんけんでレギュラー争奪。

さてその内容はというと、ざっくり言うと、無名の女お笑い芸人8名にじゃんけんをさせ、その勝者に「伊集院光のてれび」という番組のレギュラーを与えるというもの。

売れない女芸人たちはきっと山ほどいる。レギュラー番組なんてまたとないチャンスのはず。その売れない女芸人たちを、番組が書類選考から個人面談を経て8名まで絞った。そこに勝ち残った彼女たちはそれなりに自負もあるだろう。その彼女たちに対して、最終オーディションとして最後はじゃんけんをしろ、それで決めるというのだ。

なんという理不尽。

「じゃんけんで決めるんかーい!」と面食らうわけだけど、ただのじゃんけんではなかった。それは、この番組考案の独自のルールを持つ「真剣じゃんけん」だった。


真剣じゃんけん、究極の選択。

真剣じゃんけんの怖い怖いルールが発表され、そのルールが彼女たちを苦しめる。気になるルールは番組を見た方が楽しめると思う。人間の欲とモラルを絶妙なバランスに調整したルールだ。

言い換えれば、いやらしい悪魔的企画。(悪魔的企画ってトゥエルビのホームページの番組紹介に書いてあった笑)
要するに究極の選択ってやつだ。沈みゆくボートから自分が降りたらみんな助かる、下りなかったらみんな死ぬ的な。トロッコ問題だっけ?

ともかく視聴者は、そのルールの中で悩み苦しみ疑心暗鬼になる彼女たちを見て楽しむってわけだ。なんてサディスティックな番組なんだろう。笑う伊集院光が悪魔に見える(笑)

じゃんけんはじゃんけんだし、何かを決めるためには便利でシンプルなゲームだけれど、そこにちょこっとルールを設けるだけでこんなにも面白くなるんだなあと感心した。

派手なセットなどなくお金かかっていなさそうなのだが(だってテーマソング。。笑)、こまめに行き届いた演出というのか、分かりやすさだったり、煽りだったりで引き込まれていった。


凝縮された人間ドラマ。

売れない女芸人。なんとしてでも売れたい、チャンスが欲しいであろう8人。ベテランも新人もいる。お互い知っているもの同士もいる。先輩後輩だったり事務所だったりの立場の違いもある。そうなってくると究極の選択ってなる。

僕が印象に残ったのは、この番組中にギャグばかりやっていて、ふざけていた芸人が、最後にギャグをやったときに泣いているように見えたところ。たまたま照明の当たり具合でそう見えたのかもしれない。でも笑顔が引きつって見えた。言葉にできない気持ちになった。

凝縮された人間ドラマ。伊集院光の真剣じゃんけん。#3は同じ企画を今度は女性タレントでやるらしい。こっちの方が芸人よりエグそう。さらに笑えなそう。でも面白そう。

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